日本5―0キューバ(WBC2次ラウンド敗者復活2回戦=18日)――負ければ、2次ラウンド敗退。相手は強打を誇るキューバ。そんな逆境を、先発の岩隈がはね返した。
「やるしかないと開き直った」右腕は六回まで1点も与えない好投で、日本を窮地から救った。
前日、今大会3度目の対戦となった韓国に完敗。ベンチにはまだその重い空気が漂っていた。「緊張もしたし、プレッシャーもあった」。しかし、その言葉が空々しく聞こえるほど、初回から落ち着いていた。東京ラウンド1位決定戦の韓国戦では六回途中まで1失点と好投したが、その1点が決勝点に。だからこそ、この日は「絶対、先に点はやらない」と言う強い思いでマウンドに立った。
1回戦で好投した松坂が横の揺さぶりなら、岩隈は縦。打ち気にはやるキューバ打者の気勢をそぐように、要所で得意のフォークボールを使った。18のアウトのうち、15が内野ゴロ。狙い通り、「打たせて取る」投球を実践し、捕手の城島に「完璧」と言わしめた。
昨季は両リーグ最多の21勝を挙げたが、2月に宮崎で行われた強化合宿では調整が遅れているように見えた。大勢のファンが詰めかけ、オーバーペースになりがちな中、自分を見失わなかった精神力が勝負所で生きた。原監督は「岩隈は、しっかり責任回数を全うして杉内につないでくれた。これが試合の中で一番良かったこと」と褒めちぎった。
松坂、ダルビッシュと並んで先発の3本柱と期待していた山田投手コーチも「間違いでなかった」とひと安心。前回大会はメキシコに助けられる形での準決勝進出だったが、今回は岩隈の快投を足場に自力でつかんだ4強入り。一気に視界が開けた。(佐藤毅)
(2009年3月19日20時19分 読売新聞)
安心して見ていられるゲームでしたよねえ